■大脳皮質基底核変性症とは

大脳皮質基底核変性症(Corticobasal Degeneration:CBD)は、中枢神経の変性によって起こる進行性の病気です。特徴的な症状として、手足のこわばりや動かしにくさ、動作のぎこちなさ、左右差のある運動障害が挙げられます。また、進行とともに歩行障害、姿勢保持の困難、さらには言葉の出にくさや認知機能の低下がみられることもあります。現在、根本的な治療法は確立されていないため、症状の緩和と生活の質(QOL)の維持が大切になります。

■大脳皮質基底核変性症に対する訪問マッサージの施術について

訪問マッサージでは、筋肉の過度な緊張を和らげ、関節可動域を保つことを目的とした施術を行います。血流の促進により手足の冷えやこわばりを軽減し、動作のサポートをします。また、継続的に施術を受けることで、二次的に起こりやすい関節の拘縮や痛みを予防し、日常生活の動作を維持することにつながります。さらに、施術の時間はご利用者様にとって心身のリラックス効果があり、不安の軽減や睡眠の質向上にも役立ちます。

■実際の症例

神戸市東灘区 Y様(80代・男性)

Y様は右手の使いにくさと歩行時の不安定感を主な症状としてご相談いただきました。訪問マッサージを週2回取り入れることで、右腕の強ばりが和らぎ、食事や衣服の着脱などの動作が以前よりスムーズになってきました。また、下肢の施術により足取りが安定し、室内での移動が安全に行えるようになっています。ご本人だけでなく、ご家族からも「介助の負担が軽くなった」と喜びの声をいただいています。

■ご利用者様の声

「マッサージを受けると手足が少し軽くなって、自分でできることが増えてきたのがうれしいです。以前は一人で歩くのが怖かったのですが、最近は家の中では安心して歩けるようになりました。」(ご本人様談)

「父は病気が進行することへの不安を口にしていましたが、施術を受けるようになってから『体が楽になった』と笑顔が増えました。私たち家族にとっても、専門の先生に自宅で施術していただけるのは大きな安心です。」(ご家族様談)