■全身性エリテマトーデスとは

全身性エリテマトーデス(SLE:Systemic Lupus Erythematosus)は、膠原病に分類される代表的な自己免疫疾患です。自己抗体が全身の臓器・組織に炎症反応を引き起こすため、関節・筋肉の疼痛、皮疹、腎障害、中枢神経症状など多彩な臨床像を呈します。慢性的な経過をたどることが多く、長期にわたり疲労感や関節可動域制限、筋力低下が生活機能を阻害する原因となります。

■全身性エリテマトーデスに対する訪問マッサージの施術について

訪問マッサージにおいては、薬物療法や主治医の治療方針を尊重しつつ、リハビリテーション的視点から二次的な運動機能低下やADL(日常生活動作)の障害にアプローチします。

  • 筋緊張の緩和
  • 関節可動域の維持・改善
  • 末梢循環促進による疼痛緩和と浮腫軽減
  • 長期臥床に伴う二次的拘縮の予防
    を目的に施術を行います。症状の変動性(flareと寛解)に配慮し、無理のない刺激量で継続的なサポートを行うことが重要です。

■実際の症例

神戸市中央区 T様(70代・女性)

T様は20年来のSLE罹患者で、膝関節痛と肩関節周囲の可動域制限により歩行・更衣動作に困難を伴っていました。訪問マッサージを週2回導入し、下肢筋群の循環改善と股・膝関節のストレッチング、肩関節のモビライゼーションを中心に施術を実施。3か月の継続により、歩行距離の延長と階段昇降の安定性が向上しました。また、「体を動かす自信が戻り、外出意欲が高まった」とおっしゃっています。

■ご利用者様の声

「長年つき合ってきた関節の痛みが、少しずつ和らいできました。無理なく体を動かせるようになり、日常の動作にも前向きになれています。定期的にケアを受けられることで安心して生活できています。」